高齢者(シニア)のやることがない、やる気を起こすアイデア 80代女性

この記事を書いている時点で、うちの母は82歳。
急性心筋梗塞で病院に運ばれてから6年、糖尿病認定されてから5年が経とうとしています。

現在は、嘘のように元気な毎日を送っていて、同年代の友達に「食事や生活習慣のアドバイス」をしているほど。

どんなアドバイスをしているのかと言うと、「それ、私が言ったことやん!」と、私が母に言った数々のアイデアを、そのまま自分の知識のごとく友達に流し込んでいるではないか!!

急性心筋梗塞からの2年間は「そんなの出来ないよ!」と言っていたのに、それを他人に言い伝えていると言うことは、一応頭には刻まれていた模様。そして、母は抵抗しながらも穏やかに実行していたのです。

そこでこのページでは、明らかに70歳代後半より80歳代の今の方が元気な母がやって来たことをご紹介いたします。



ほぼ毎日、用が無くても出掛ける

コロナも終わり、ようやく外出できるようになってから、母はほぼ毎日、用事が無くても出掛けるようになりました。

家は駅まで遠いので、バスを使っての移動です。

とは言え、バス停まで歩いても徒歩10分〜15分。慣れるまでは大変に感じていたようです。

実現可能なルートで、様々な行き先に一緒に行ってみる

そのために娘である私が協力したことは、「1人でも実現可能なルートで、様々な行き先へ“一緒に”行ってみる」ということでした。

高齢者シルバーパス(注釈 1)を持っている母は良いとして、私は実費を払わなければいけないのですが、母が1人でも行けるようにするためには、それしかありません。

バスを乗り継いで行くとなると、私は乗車の度にバス運賃が掛かるため、電車で行った方が早いし、料金も安く済む場合が多いです。

しかし「あくまでも普段、母が1人で行けるようになれば良いな」と思って行ってみるルートなので、そこは割り切りました。

(もし、思惑どおり行かなくてもOKだと思うようにしました。逆に「路線バスの旅」のようにバス縛りで行ってみるのも面白いなと、楽しむことにしました。)

1カ所につき最低2回は一緒に行くのですが、2回目は母を先頭にして、私は付いて行く形で覚えてもらうようにしました。

大きな街までバスで行ければ、そこから他の方面に行けるバスも出ているので、行動範囲が広がります。

そして1つの新しい場所をマスターしたら「次はココに行ってみよう!」と、さらに行動範囲を広げて提案していました。

—注釈—

  1. 高齢者シルバーパス・・・自治体によっては、バスや電車の補助があります。住んでいる自治体のホームページに記載があるのでチェックしてみることをおすすめいたします。ちなみに東京都在住の方は、1,000円で年間シニアパス(都内を走るバスや都営電車に乗り放題)を購入できます。(収入が多い方は2万円) ↩︎

予定日を決めてしまう

以前は、私にも都合があるし、良い天気の日に出掛けたいなと思っていたので、事前に日程は決めていませんでした。

でもある時、予め予定日を決めてお互いのカレンダーにその日程を入力してから、母の機嫌がガラッと変わったのです。

予定が入るとモチベーションが上がるのか、それまでの期間が有意義な時間になっていたようです。

もちろん、雨天や自分の都合が合わなくなった時は、予定をずらしてもらうのですが、母の場合はそれでガッカリすることもありませんでした。別日になっただけで、無くなった訳ではありませんから。



その場所でお食事、食事後にはカフェ、カラオケボックスにも行ってみた

「1人でも行けるルートで来た街」と言っても、ただ「その場所に行くだけ」では面白くありません。

どの場所で食事をし、その後どのカフェに寄ってお茶をするか・・・等という「具体的なコース」を現地で見て一緒に決めました。

母は糖尿病(薬を飲まずに生活習慣改善だけでギリギリライン)に加え、綺麗な場所でしか食べられない性格なので、食事場所の選定は重要です。

なるべく、沢山の品目が食べられるお店を探しました。

そして「綺麗な定食屋」さんがあったのでそこでお食事をし、近くに「カラオケボックス」があったので1時間歌い(←7年ぶりくらい)、その後は「オシャレなカフェ」に入るという1つのコースが出来上がりました

高齢者が未知のカフェになかなか行けない理由

母はコーヒーが飲めないので、紅茶かミルクになるのですが、紅茶だとカフェインの影響で夜に眠れなくなるので、その飲食店にあるメニューから母が飲めそうなメニューを見つけ出すのは至難の業です。

ミルクやカフェインレスの紅茶があれば、それを予め見つけ出してあげます。

これも全て、次回は自分1人で行けるようにするため

高齢者がおしゃれなカフェに行けない理由の一つに、会計カウンターでは無言のプレッシャーがあって注文を悩める時間がない、という事があると思います。

待ち構えているレジの注文係、後ろに並んでいるお客さん。

並ぶ前にメニューボードを見て注文品を決めてから並ぶのは当然だとしても、「メニューボードが見えない or 何だかよく分からない」と思っていて、初めての店には踏み込めないようです。

一度入店したことがあれば、ここで注文するメニューや雰囲気などを把握することが出来るので、2回目からは問題なく入店できるようです。



それが、友達に話すネタになる

シニアは、10年前の出来事を「この前」とか「ついこの間」と表現することってありませんか?まるで2ヶ月前の出来事だったかのように、はるか昔のことを話すのは、私の母も一緒です。

それは「話すような新ネタが、その後に出来ないから」だと思うのです。

でも、新しい場所に行けば、

「この前、バスを乗り継いで○○○に行って来たよ!」

と、友達に話すネタが出来るわけです。

先日、母と一緒に新しい場所に行った帰り、バスに知り合いの高齢者が乗車して来て、母としばし談笑していました。

そしてそのネタは「その日に行って来た場所」。

友達も元気な方なので、「今度一緒に行きたいわぁ」と興味を示したのです。

友達と一緒に行くために、真剣に行き方を覚えようとした

娘の私と一緒に行くと、つい私に頼ってしまうのですが、母が友達を連れて行くとなると話は別です。

自分で行き方を完璧にマスターしなくては、連れて行けないからです。

そこから母の“やる気モード”は変わりました。

私にもう一度ルートを聞いて、それをメモしていたのです。

1人で予行演習

そして、「毎日やることがない」と漏らしていた母が、それをきっかけに「練習」と銘打って、1人でそこまで行ってみたりしていました。

行くまでの道のりはもちろん、お食事処、カラオケボックス、カフェ。

私と行ったルートをそのまま一人で再現したようです。

その時くらいから「やる事がない」とは言わなくなりました。

友達とのお出掛けを実行

そして、約束は決行されました。

お互いシニアにつき「暇な日は沢山ある」という事で、比較的早い段階で実現されました。

もちろん、予行演習した同じコースで。

「また行こうね」と友達から言われる

それをきっかけに、「また行こうね!」と友達に言われたようです。その友達もそんな機会を待っていたのではないでしょうか。

そして、また別の友達を同じコースで連れて行く策略も母にはあるようです。

そちらにはまだ声を掛けていないようですが、「電話をしたら話すネタがある、状況次第では誘ってみる」という安心感というか、充実感というか・・・。

なので、「やることがない」とか「やる気がない」とは言わなくなりました。

行き先は飲食店やカフェで十分

特別な場所に行かなくても、飲食店やカフェに行って話すだけで良いと母は言います。

その飲食店やカフェを、いつも行っている場所ではなく、ちょっとオシャレなお店であるとかに変えるだけで、有意義になるようです

そして、そこに行った経験を、そのまま別の友達に話すネタにすると、友達は高確率で食い付き、誘いやすくなるかもしれません。

「ご褒美が貰える」歩数計アプリを使っている

出掛けるモチベーションは、歩数計アプリのお陰で間違えありません。

しかも、ただ単に歩数を測るアプリではなく、達成したことによってご褒美が貰えるアプリです。

Coke on(コークオン)アプリ

Coke On(コークオン)は、コカ・コーラ社が提供している公式アプリです。

歩数計の機能も備わっていて、目標歩数を達成してスタンプを15個集めると「無料で自販機で飲み物をゲット」できます!

しかも、1度貰ったら終わりではなく、15個スタンプを集める度に貰えるのです

なお、歩数だけでドリンクを完全無料で貰えることに間違えはありませんが、母はコークオンをきっかけに「からだすこやか茶」を知って、今では箱買いをするようになったこともお伝えしておきます。

ちなみに、1週間の目標歩数は7,000歩に設定。

夜になると歩数が足りていないせいか、テレビを見ながらスマホを振ってズルしている様子を目の当たりにしていますが、まぁ、そのくらい目をつぶることにしています。

高齢者の「やることがない、やる気を引き出す」アイデア

母の場合、1つのルート完成をきっかけに、友達に電話できるネタができ、その後は芋づる式にやる事が増えていった感じです。

  1. 新しい場所に行って、実現可能なコースを作る(←私がやったのはココだけ)
  2. 友達に電話できるネタが出来る
  3. 「最近どう?」「○○に行って来たよ!」
  4. 「今度一緒に行こうよ!」
  5. 友達も、そんな誘いを待っていたのか、高確率でノってくる
  6. 約束が決行される前に予行演習をする(一人で考えながら行くので「脳トレ」になっているような気がする←推測)
  7. 約束の日
  8. 「また行こうね!」と誘いやすくなる
  9. 「また行きたいわ」と高確率でノってくる(これも推測)
  10. また約束が決行される

もし、元気な友達が2人くらいいれば、2人を同じルートで案内できるので、充実感が出るのでは無いかと思っています。

気が付いたことは、案外、友達も誘いを待っているということ

そのきっかけ作りをしてあげたことで、「やる事がない」という言葉は聞かなくなりました。

そして「新しい場所に行ってみる」という試みは、「やる気を引き出す」と同時に「認知症の予防」にもなっているのでは無いかと、思いたい自分もいます。

バス代の出費は嵩みましたが、思っていた以上まで波及していった事もあり(友達をもハッピーに出来たかも?)、とても良かったなぁと思っております。